2008年3月31日月曜日

購うべき人にはもう会えない

彼も

彼らも

あの人も


僕を赦せるのは

もう僕しかいない。

2008年3月30日日曜日

金木犀

芳しきその香りは

束の間の夢に誘う

2008年3月25日火曜日

言葉

「ありがとう」

鏡に向かって言ってみた

自分の空々しさに体が震えた


「ごめんなさい」

鏡に向かって言ってみた

自分が小さく、消えてしまいそうで悲しくなった


僕の中で、2つの言葉が失われていた

2008年3月24日月曜日

朧月

空を見上げた

同じようにこの月を見ている人が居ると思うと

少しだけ頬が緩んだ


それぞれの思いを朧に包んで

夜はゆっくりと更けていった

2008年3月18日火曜日

独唱

壁に跳ね返る声が

酷く遠く

他人のそれのように聞こえた


僕は謳う

僕のための子守歌を


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だから、拍手はいらない

詩の時間軸について

ちょっと一息入れて、解説です。

基本的に、詩を思い浮かぶのはリアルタイムですが、
題材の時間軸は一定していません。

リアルタイムの時もあれば、数ヶ月前の景色、
数年前に抱いた思いの時もあります。

2008年3月16日日曜日

仮初の死すらも拒絶するように

街に光が灯る

それは生有るものの声

それは生有るものへの道標

2008年3月15日土曜日

幾重にも吹く風

時に打ち消しあい

時に勢いを増して

時に流れを変えながら


新しく吹く風は

何を与える

何を奪う

最後の言葉

ありがとう

さようなら

応えられなくて、ごめん

僕は生きているから

生きていくから

だから

ありがとう

さようなら

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名前も知らない彼女にかけた、最後の言葉

2008年3月13日木曜日

紫煙

溜息を

見える形にしても

すぐに風に掻き消されて

絵の具

手当たり次第に色を混ぜあわせたら

真っ黒になってしまった


こんなのは嫌だ、と慌てて白を混ぜたけど

最後までパレットの上は白くならなかった

2008年3月12日水曜日

下弦の月

伏せた目は何を想う

傍に光る星は君の涙か

ハリネズミ

僕は誰かの側に居たいのに

どうして

僕の棘は相手を傷付けるんだろう


どうして


僕は怖くなるんだろう

2008年3月11日火曜日

残雪

若葉の上に取り残されし雪は

ただ春の陽にその身を強張らせる



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3.14 前半部気に入らないので修正

2008年3月10日月曜日

イロノナイケシキ

それはつまり

僕の好きな色に塗れるということ


気付くまでに長かったかな